【映画】「カメラを止めるな!」を観て面白かった人は絶対にシベ少を観ようね!
ぐああああああああああああああああ!
もう、まいった。
本当に本当にほんとうに面白かった!!!!!
わずか2館の上映からはじまって好評すぎて全国100館まで拡大したという話題の映画「カメラを止めるな!」を観てきたんだけど、もうあまりにも面白すぎて完全にノックアウトされました。まいった、まいった。
※以下、映画本編へのネタバレはありません。
が、1mmも、1ミクロンも、事前情報はなければないほど幸せです。
見終わってからもういちど来てください。カメ止めと、シベリアで検索すればきっとまた読めますから。
続けます。
で、この映画とはいったい何なのか?
「ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビが乱入してきたのにカメラを止めずに37分ワンカットで撮り続けたすごい映画」
ではありません!
「ゾンビ映画の撮影中に本物のゾンビが乱入してきたのにカメラを止めずに37分ワンカットで撮り続けたすごい映画」を500%いじって笑って感動までさせられちゃうすごすぎるピタゴラスイッチでした。
ちなみに最初、あらすじだけ読んだら「ROOM」的なものなのかな?って思ってました。
あれは
「誘拐された少女が監禁生活中に生んだ子供とともに外へ脱出するところでふつうはめでたしめでたしになって終わるはずが……むしろそれまでが前振りで、主題は誘拐被害者の社会復帰とPTSDにフォーカスを当ててみせるほう」というお約束を逆手にとった革新的視点が面白い話。
だからこの「カメラを止めるな!」もワンカット長尺ドキュメンタリ兼ゾンビ映画を撮りきったところまでが前半で、その映画を撮ったことから巻き起こるお話が展開されるのかな?とか思ってて。
ところが!
ぜんぜん違いました。
ROOMじゃない。というか、映画じゃなかった。これは演劇でした。
ついでにいうと「ブレアウィッチプロジェクト」系のやつでもないです。
もっともっというと、ゾンビ映画ですらない。
三谷幸喜的な、みたいな言及も多いけど、個人的にはちょっと違う気がします。
くりかえしになるけど、これはピタゴラスイッチがいちばん近い。
で。
ようやく本題。
ツイッターでも同じこと思っている人がちらほらいて安心したんだけど、これは僕が愛してやまない「シベリア少女鉄道」という劇団がひたむきに繰り返してきた「シベ少スタイル」にものすごく近い匂いを感じました。
ほんとにね、すんごい似てる。前半はちょっとつまんなくてそわそわするかもしれないところとか。これが各所で絶賛されている超話題作なの?だいじょうぶなの?と。
そしてそのそわそわはだいたい後半あと30分、ってところからまったくの杞憂だったと分かってあとはノンストップのジェットコースターで爆笑につぐ爆笑で脳がぐらんぐらん揺れて、観ているものの意味がめまぐるしく入れ替わっては、奇跡的なピタゴラスイッチを為して、さいごは「娘ーーーー!!!!」って泣ける。
笑って泣ける。
つまり、それって最高のエンターテインメントってことだ。すごい。
僕はこのことにいたく感動しました。
だって、シベリア少女鉄道の脚本を書いている土屋さんという方は、ワン&オンリーのユニークな天才なんだと思っていたから。ところが「カメラを止めるな!」の上田監督が出現したことで、シベ少スタイルがワン&オンリーの一点ものから、意外にも再現可能なものなのだと分かったから。土屋さんはどう考えても時代の先端(の脇道)をはしる超天才だけど、それに勝るとも劣らない新しい天才が、映画からも出現したことが嬉しいし、感動なのです。
カメラを止めるな!が面白くって面白くってたまらない人は、チャンスがあったら絶対に「シベリア少女鉄道」の舞台を観にいこうね。ぜったい、ぜったいだよ。次に観るシベ少はもしかしたらカメ止めより面白くないかもしれない。もともとお客を選ぶストロングスタイルな舞台だし、メタなネタやサブカル知識も求められたりするし、ふつうにつまらない回もある。けど、「カメラを止めるな!」で表現されていた「あの面白さ」は、実は世間一般に知られていなかっただけでずっと探求していた人がいることを知ってください。しかもそれがじつはけっこう人気で、好きな人はめっっっっちゃ好きという世界でもあるので、カメラを止めるな!の次はシベリア少女鉄道に行くのがいい。
シベリア少女鉄道はカメラを止めるな!のお父さんではないかもしれなけど、たぶん、従兄弟のおにいさんくらいの親戚関係だから挨拶くらいはしておいていいはず。きっと気に入るって。カメラを止めるな!とシベリア少女鉄道。カメ止めが好きなら覚えておいてぜったいに損がない言葉、シベリア少女鉄道。おぼえて帰ろう。ついでにシベリア少女鉄道でいっぱい検索して、次の舞台ではせまい劇場のどこかでいっしょに観よう。