サガステ復習編・サガステ2回目を観る人に伝えたいロマサガ2の細かいネタ
おつかれさまです、サガステ最高でしたね。
サガステ、最高。語彙なんかそれだけで生きていけます。
ただ、ちょっと語らせてください。最高すぎて気持ちの整理がつかないので。
特に今回は、佐藤アツヒロさんに惹かれてロマサガ2の舞台を楽しんでくださった、役者ファンからロマサガ界におこしの素晴らしき皇帝陛下に捧げる記事を書きます。ゲームはやったことないけど、七英雄が生きる世界に興味がわいた、という方にむけての記事です。ゲームを何周もやりこんだやつだと、なるほどそういうふうにサガステが見えるのか~、ということをお伝えしたくて書いています。
っていうか、サガステ最高すぎるのでたぶん周回鑑賞する方ふつーにいると思います。一回みたけど、原作未プレイなためにちょっとわからなかったぞ?みたいな方を救うために、もう一回いくまえに復習・補習をさせてくださいませ。
ついでにいうと、ネタバレなしの基礎知識編はこっちです。
undertalenetabare.hatenablog.com
生命力=LPとはなにか?伝承法は、ゲームではどのような扱われ方をしているのか、みたいなロマサガ2にとっての「知っていて当たり前」はまずこちらをお読みください。
なお、狙いの性質上、ネタバレ全開でいきますので、どうかどうか、舞台を見終わった方だけお読みください。
サガステ復習編。細かすぎて伝わらない観劇後の補足解説!!
5人いればインペリアルクロスが使えるのに!の意味
二幕。ジェラールの代になって、ヘクターが仲間に加入するまでの時期でのこと。ここは原作勢が「うんうんうんうんうん!!!!!」て首がもげそうなくらいうなずくところです。ここは未プレイだとわかりづらいので解説します。
レオン皇帝がクジンシーに挑む理由は、「一撃でLPを0にされてしまう必殺技をわざと自分の体でうけて、死ぬ代わりにジェラールに『見切り』を会得させるため」というのは舞台上でも読み取れたと思います。
で、とにかくレオンは死にます。すると、レオンをふくめた5人パーティーでインペリアルクロスという陣形を組んでいたのに、それが成立しなくなるわけです。
で、で、そうなると今度はジェラールが主人公キャラになった4人パーティーの編成になります。4人だと、陣形が組めません。なので、あと一人必要なのです。
で、で、で。この時、原作では折悪しくもレオン崩御の直後に帝都の市民居住区にモンスターが攻め込んでくるという事件が発生します。4人しかいません。陣形くめません。ジェラール(=プレイヤー)はここで決断をせまられます。このまま4人で街を守るか。あるいは宮殿から誰でもいいから一人仲間にいれて陣形を組める人数にしてから対抗するか。フリーシナリオシステムなのでどっちでもいい。どうする?
で、で、で、で! このときのヘクターくんに注目。めっちゃ強いキャラなんですけど、なんとなんと「俺はレオン陛下に雇われていた。ジェラール様に忠誠をちかう義理はないね」と仲間になってくれない奴なのです。
ところが、晴れてモンスターを退けることに成功するとジェラールの実力を認め、以降は仲間キャラとしてスカウトが可能になる、というイベントがありまして。つまり、なんとか無理して4人で迎撃成功すれば、その直後にヘクターという頼もしい味方がゲットできるという寸法です。遠いけど安全な道か、近いけど険しい道か、みたいな。
だからヘクターを加入するかしないかというタイミングのすこし前に、「あと一人いればインペリアルクロスが組めるのに」というセリフにニヤリとするわけですね。あ~、あのイベントのことを再現しようとしてるんだなぁ、と。
ジェラールと宮廷魔道士エメラルドがファイアーボールを一緒に使う意味
こちらも二幕から。ボクオーン戦だったと思いますが、ジェラールが「ファイアーボール」という呪文を使うところがありますね。で、そのときにパーティーメンバーのエメラルドちゃんもハモって「ファイアーボール!」ってやるじゃないですか。あれにはきちんと感動できる話があるんです。
ジェラールというのは、それはそれは非力な第二太子で、剣術が苦手でした。そんな彼に、戦闘に役立つ攻撃手段として術を教えてくれるのが宮廷魔道士のエメラルドちゃんなのです。
つまりエメラルドはジェラールの忠実なる臣下であると同時に、彼にはじめて戦う手段をあたえてくれた師匠でもあるんですね。その視点でみるなら、ファイアーボールとはエメラルドの得意な術であることだけにとどまらず、皇帝と魔術師のきずなをあらわすエモーショナルな術だともいえます。それをここぞという必殺のタイミングで、ふたりが声をかさねて唱え放つ。つくづく、よく考えられた台本だと感心します。
ソウジはなぜ病弱キャラなのか?
これは原作プレイ済みだとめちゃめちゃ笑えます。もうソウジ出てきただけで笑えます。どういうことかというと、それはロマサガ2のLPというシステムに自己言及するノリツッコミ系のギャグだからです。
こちらをご覧ください。
彼はゲーム終盤で加入可能になる「イーストガード」という和風剣士のなかの一人で、200人以上いる皇帝候補のなかでもトップクラスのネタキャラとして有名です。
どこに注目してほしいかというと、「LP1」というところ。このゲームにおいてLPは0となった時点でキャラが消滅してしまうというルールがあるにもかかわらず、まさかの1!ソウジ、すぐ死ぬ!瀕死、瀕死!加入時点でもう消えそう。儚さ、ぶっちぎりのNo.1。そんなやつ、彼以外いません。
そのくせ、LP以外のパラメータはめええええええっちゃめちゃ優秀で、数値外の隠しパラメータもふくめて超高性能なキャラクターなのです。だからみんな記憶に刻まれています。キャラがたちすぎなんです。
なので、ソウジを使ったことがあるプレイヤーは、サガステの舞台を二重の意味でハラハラしながら見守っていました。ノエルに攻撃されて。スービエに刺されて。ワグナスに必殺技かまされて。そのたびに、ちょ、ま、LPなくなるーーーーーーーーー!!!!!!!と、心臓にめっちゃ悪いドキドキをあじわっていたのです(笑)
あと余談ですがコッペリアはLP99です。分けてあげて!
火山の噴火を無視してよかったのか
結論からいうと、良いんです。というか、演劇上の非常にすぐれた意図があってああいうシーンになっていたと思います。
二幕、ケルートというサラマンダー族が「コムルーン火山の噴火をこのハンマーでとめておくれよ」みたいな話があるじゃないですか。ところが、そのときの皇帝はケルートがぜんぶ言い終わらないうちに、「ミラマーの橋が海の主に壊されたイベント」のほうに方向転換してしまいましたよね。
一見ギャグシーンにみえるここですが、じつは、これはロマサガのロマサガらしさをこれ以上なく見事に表現した、ものすご~~~く素晴らしい一幕だったのです。わかりづらいと思うので解説します。
どういうことかというと。プレイヤーは、ストーリー上で何度もサラマンダー族がいるコムルーン島をおとずれます。で、ゲームの進行状況によっては、舞台とおなじように「コムルーン火山の噴火をとめる協力をしてほしい」と言われるんです。これをそのとおりに舞台で再現するのだと、いかにもふつーーな、学芸会のノリになっちゃいます。
ところが、サガステはちがう。コムルーン火山の噴火の話を無視して、ミラマー編に場面が移ります。なぜなら、ゲームでもまさに同じことができるからです。
ロマサガは、フリーシナリオシステムというものを採用しています。これは、プレイヤーの選択によって、プラグラム上のどのイベントに着手してもよい、という斬新な仕組みです。その自由さは、とんでもなく超自由です。順番を選べるだけじゃなくて、放ったらかしにすることさえ選択肢にはいってきます。だから一度着手しはじめたイベントだって、やっぱや~めた、と放置が可能です。ケルートに遭遇する。依頼されてイベントが進行しはじめる。だが放置!それは、ゲームシステム上、まったく問題ない行為なのです。あのシーンは、この仕組みのことを端的に表現していた粋な演出なんですね。
コムルーン火山はあえて噴火させる道もある
さらにさらに、なぜその演出をコムルーン火山編でみせたのか。これにもきちんと意味があります。このゲームは攻略の手順はどういう道を選んだとしても、おおむねすべてのイベントを味わうことができるようになっています。ところが、いくつかの例外があって、一周のゲーム攻略のなかではどうしても両方はあじわうことができない「取り返しのつかない二者択一」の部分があります。
それがコムルーン火山編なのです。コムルーン火山は、進み始めたイベントをあえて無視してほかのイベントをすすめるという条件を満たしたとき、なんとなんと、火山が大噴火して島まるごと消えてなくなってしまうというショッキングな結果に発展します。したがってサラマンダー族は絶滅、世界地図からも一箇所完全に消えてしまいます。
ところが!ところが!海に沈んだコムルーン島のかわりに、古代の失われた秘術を隠すダンジョンが浮かび上がってくるのです。それを見事制覇すると、この方法でしか手にすることができない「第6の隠し術シリーズ」を習得することが可能になる、というなんともえげつない選択肢。
これぞフリーシナリオシステムの真骨頂にして、プレイヤーが積極的に「あえて無視して別イベントを進めたくなる」という魔性のイベントなのですね。禁断の冥術のために、サラマンダー族を見殺しにして都合よくすすむか、サラマンダー族という世界最強の斧使いを生きながらえさせるために冥術を諦めて火山の噴火を止めにいくか。
プレイヤーなら一度は経験したあの「わざと無視するイベント」が、ケルートいじりというコミカルなシーンのなかにぎゅぎゅっと凝縮して表現されていた、というお話です。
セキシュウサイ
セキシュウサイとは誰か? これは、舞台では前後の文脈からどうにか推測するしかなかった、もっとも原作未プレイ派が謎におもうポイントだと思います。
セキシュウサイのことはこの記事もご覧ください。
undertalenetabare.hatenablog.com
セキシュウサイは、ワグナスが拠点とするヤウダ地方の登場人物です。
ヤウダは日本風の世界なのですが、ここの王さまは、いっときの平和のためワグナスの手下になってしまうという愚かな選択をとりました。自分の保身のために国まるごと魔物のリーダーに売り渡しちゃったんですね。
で、セキシュウサイとは、その王さまに仕える武人です。ワグナスをして皇帝以外に唯一警戒心をいだかせた人間最強のキャラクターで、彼は仲間には加入しないタイプの存在です。
彼は武人であり、侍です。侍は臣下として主に忠誠を誓います。それはたとえ愚王であっても。なので、王はワグナスにつき、その臣下であるセキシュウサイも、皇帝と対立する立場をとらざるをえなかった、という悲しきおじいちゃんでした。
おたがい戦うべきではないとわかっていながら、しかし七英雄打倒の道のりのなか、決して避けてはとおれぬ衝突です。皇帝は彼と一騎打ちの戦いをします。このときだけは5人のパーティーは解散し、皇帝ひとりきり。一対一。
で、まあ、ゲーム終盤まで鍛えている皇帝だからまず負けないんですね。対策を怠っているとボコボコに負ける可能性もありますが、基本的にはセキシュウサイは皇帝の一撃で沈みます。志に殉じて、高潔なる死を選ぶのです。
その後、セキシュウサイの遺志をついで皇帝に協力を願い出るのが先述のイーストガードというわけです。初代ジュウベイから7代あとの8番目イーストガード=Mr.瀕死・ソウジくんです。そんなソウジだからこそ、熱いセリフに重い意味がこめられてるんですね。
「たった一つきりの命。燃やし方なら心得ている!」
いわば、セキシュウサイの無念もオーバーラップしている魂の叫び。LP1だから「たったひとつの命」というダブルミーニングにもなっていて、熱く、クスっとして、でも泣ける。これが感動なんですね。
七英雄しつこい件
七英雄の血の誓い。あれはガチです。原作にもあります。
超強い七英雄を順番に倒していって、最後の1人になると世界地図でいう南のはてにあるダンジョンが入れるようになって、そこで待ち構えている最後の1人と戦います。
フリーシナリオシステムなので、7人をどういう順番で倒してもいいため、ラストダンジョンで戦う最後の1人もプレイヤーによってまちまちです。私は七人いずれのパターンでの最終戦も経験しています。
ただ、クジンシーだけはちょっと工夫が必要です。なぜならジェラールの時代に決着がついています。さいしょに彼とドンパチやったから皇帝と七英雄の因縁の歴史ははじまったんですものね。そんな最初に死んだはずのクジンシーさえ、フリーシナリオシステムの自由さを工夫しまくれば、なんと最後の1人に残すことも可能です。
で、7人目を見事やっつけると、「ここから先はセーブできない」状態になって、七英雄の本体との最終最後の決着戦がはじまります。
まあこれがこれがめっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃめちゃ強い! 強すぎるラスボス歴代ランキングとか作ったらだぶん余裕でノミネートされる七英雄。
なにしろ、こっちの体力の上限が999なのに、四桁ダメージたたきだしてくるし。七人だから7回攻撃してくるし。七人分の体力あるし。クジンシーがさいしょに使ってきた「くらったら一撃でLP0になる技」をラスボスのくせに使ってくるし。ロックブーケが使ってきた「男性キャラクターを問答無用で七英雄側に寝返らせる技」も使ってくるし。火力、戦術、耐久力、なにもかもが、ここまでに戦ってきたすべての敵より数段格上という半端ない強さ。
しかもしかも、そんな七英雄は戦闘中にさらに覚醒して、「アストラルゲート」→「アビスゲート」という大技を放ってきます。これはサガステでもめちゃめちゃかっこいい演出で再現されてましたね。攻撃をくらった側(=舞台だとソウジ)の動きも、ゲームのとおりの動きだったことをご報告します。
私が語りたかったことは以上です。
ネタバレ全開、超全開で大変失礼しました。どうか、より良き周回サガステタイムをお楽しみください。
ツッコミどころとか、あれが知りたい、ここはなんだったのか?みたいな謎があれば、
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