サガステ【ロマサガ2舞台】感想。水鳥剣の軌跡が見えるぞ!

観てまいりました!
楽しんでまいりました!
サガステ!
 

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SaGa THE STAGE七英雄帰還
 
私が行ったのは東京公演10月3日の昼の部で、この日はなんとサガシリーズの生みの親こと河津神がおられました。会場入り口でお客さんがたくさん入ってくる様子を見ている神……を、遠くから見ている私。ちらほら神に気がついている来場者。でも誰も声をかけない。えー、まじか。あれ神だよね。うっそ、あホントだ。すげえ。神だ。そんな開場5分前。もうね、なんか始まる前からワクワクドキドキがとまらないぜ、という観劇体験でした。
 
 
ちなみに私は好きなスーファミソフトをあげるときは真っ先にロマサガ2!と叫ぶタイプの人間です。小学生当時、SFC版を何周も何周もして、社会人になってからもWiiのバチャコン版で周回し、VITAのリマスター版もトロフィーコンプするまでやりつくしたくらい、ロマサガ2が好きで好きでたまらない系の皇帝です。
 
演劇ファン側からのサガステ民ではないため、役者さんのことはノー知識でした。サガステの感想ツイを拾ってると逆にゲーム未見で来られている役者さんファンも少なくないようでサガのファン層拡大を嬉しく思います。
 

見所その1。この殺陣を見よ! アクション満載、躍動感ほとばしる舞台。

見所はなんといっても「殺陣」!
数えてないから正確な数はわかりませんが、もうね、これでもか!ってくらい戦闘シーン、戦闘シーン、戦闘シーン!だよ。だって原作ゲームがバトルだもんね。戦い続ける者たちの時を超えた伝説。原作の魅力のひとつ「プレイしてて楽しいバトル」の雰囲気をとても丁寧に舞台上で再現していました。
 
※観劇後にしらべてびっくりしたんだけど、あの殺陣ってワグナス役の役者さんが指導者なのね!?ま?
 
殺陣のなにがすごいって、たとえば「陣形」ね。ロマサガ2には5人のメンバーで陣形を組んで戦闘にのぞむというシステムがありますが、それをきちんと表現していたのがすごいんです。インペリアルクロス。ラピッドストリーム。龍神。プレイヤーならおなじみの陣形たち。何度も頼りにしてきたあの陣形の数々が、自然に(そう、自然に!)、戦闘の経過との必然性をもって変化・展開されていきます。それがことごとくかっこいいんです。龍神って実際に攻撃につかうと、そうかそんなに流れるような連撃になるのか!としびれました。――連撃、いきます!
 
それから「技」。これも原作リスペクトにあふれてて超かっこいい! 流し斬りね、流し斬り! 剣の軌跡っていうのかな、見えるの!見える。ゲーム画面でみたとおりの剣の動きが見える。水鳥剣なら縦方向に斬りおろす。二段斬りは斜めに二回ふり払う。そういう細かいところにまで及ぶ原作愛が、見ていてジーンときました。
 
もちろん、すべての役者さんの身のこなしのお見事さといったら!すごいですよ、ほんとに。すごすぎた。一対多の剣戟アクションが何度もあるんだけど、剣を振り払う一手一手にきちんと意味が感じられる。あの剣は攻撃。あの剣は威嚇。あの剣はパリィ。あの剣は牽制。あの剣は致命傷を与える特大の一撃。そして流れるような動きのなかに、これまたきちんと意味のあるジャブや回し蹴りや掌底がちょこちょこ組み込まれていて、「ものすごい練習量の果てにきまりきった型でやってるはずなのに、どうみても命懸けで戦っているリアル感」がひしひしと伝わってくるんです。この殺陣を見よ!と自信満々で言われて観にいってもけっして損はしない。そういうアクションシーンがサガステの大きな大きな見所のひとつでした。
 

見所その2。原作ストーリーの掘り下げ方がすばらしい!

ロマサガ2にある、語られざる物語。それらがまったく新しい解釈のもとに、それでいて原作愛を1mmも傷つけることなく成り立っているのが見事です。
 
原作で最も謎めく存在オアイーブの内面に光を当てたことが、本作シナリオの特に優れたところだと思います。ミステリアスな彼女のベールをはがし、きちんと役割をもたせたことで、七英雄と歴代皇帝のどちらをも主人公として成立させてみせるという離れ業が披露されました。これがとにかく凄い。なにが凄いかというと、
 
両方を善として描くなんていう安易な方法に逃げていないのが凄い。
 
七英雄はきちんと醜くも美しい巨悪として。皇帝は決意を継承する弱者の味方として。相反する立場でありながら、さいごまで観終わると両者ともに「たしかにどちらも主人公だった!!」と感じられる。それはなぜか?
 
オアイーブの秘めた真意が、まるで魔法のように両者を「同化」させてしまうからです。
 
この説明だと何言ってるか分からないと思います。でも、ほんとにそうなんです。もし円盤でこの舞台を楽しまれる方は、シナリオの美しさにぜひ注目してみてください。
 

見所その3。ワグナス。

ここからはネタバレを含みます。
ネタバレがお嫌いな方は、どうか舞台鑑賞後にお読みください。
 
 
 ◆舞台をまだご覧になっていない方は、
こちらの「ネタバレなし・ロマサガ2解説予習編」をおすすめします◆


 
 
 
 
 
 
 
 
 
※※※※※以下ネタバレはじまります※※※※※※
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私は、この舞台で泣きました。
 
泣けるポイントはいくつもあります。
 
原作愛があふれる演出はもちろん泣けます。
 
スービエの愛と憎悪に泣けます。
 
ノエルの背中の広さに泣けます。
 
一幕と二幕で「変化」したクジンシーの弱さの意味に泣けます。
 
ボクオーンの存在感の異質さに泣けます。
 
ダンターグの頼もしさに泣けます。
 
ロックブーケの戦闘演出はゾクゾクさせられて泣けます。
 
大好きなイトケンサウンドがビシビシ決まって泣けます。
 
ロマサガ2を愛している私の涙腺をぐっさぐさ刺激しまくる舞台で感動的でした。
 
 
そんな中でも特に特にすごく深く感動したのが二箇所あって。
その二箇所とも、ワグナスのシーンだったのです。
ワグナスが泣ける。
見所はワグナスでした。
 
 
 
 
 
※※※※※ここからさらに本編内容への具体的な言及があります※※※※※※
 
 
 
 
 
ひとつは、一幕のラスト。
 
長命人(古代人)に対する復讐を叫ぶワグナスの、魂がきしむような慟哭が胸にせまるんです。そこには決してうつっていないのに、ゲームをプレイしている皇帝なら皆ひとしく「ワグナス第二形態」の血の涙を流すあの姿を幻視したことでしょう。見える。見える……!あの憤怒。あの涙。あのサイコバインド。心がふるえて、私も泣いていたのです。
 

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↑ワグナス第二形態

 
そしてもうひとつ。
二幕の中盤。ヤウダを攻めるワグナスがセキシュウサイと戦うくだり。ここが泣けて泣けてしょうがないんです。いま思いだしても泣けてきます。原作にはワグナスとセキシュウサイが直接対決をする話はないのですが(あったっけ?ないよね?)、この追加要素はなくてならない素晴らしい付け足しだったと思います。
 
どうして泣けたのか。
ワグナスが相手取るは、現代人最強の達人セキシュウサイ。
数千年の旅の果てに人類をはるかに超越した力を得たいまのワグナスと、互角以上にわたりあう武の天才。そのひりつくような殺陣のなかでワグナスはこういった意味の言葉を漏らすのです。
 
「お前ほどの男を倒せば、あるいは人間性を取り戻せるやもしれぬ」
 
はええ……
 
 
 
 
 
かっけえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!
 
なにそれ!?
 
え?
 
なにそれ、かっこよすぎだろ!!!!
 
復讐の悪鬼、モンスターと成り果てた七英雄リーダーが、命と命の殺り獲りのなかで一瞬だけ「人の心を取り戻したいと願う人間性」を見せるんです。
 
おまえ、墜ちてなかったんや!
 
おまえのなかにいる「男」は魔物になってなかったんや!
 
おまえは己を魔物と堕したとて、本質的には人間だったんや!!!!!
 
ワグナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!!!!!!
 
だばああああああああああああああああああ(号泣)
 
 
 
 
はい、観ましょう。
決定です。
サガステ。
 
めちゃめちゃ面白いです。
 
感動です。
迷う必要はありません。
観ましょうね。
 
 
ぜひぜひ。
 
 
 ◆DVDでの初見を楽しみにしている方には、こちらの記事もおすすめです◆

サガステ予習編・ゲーム未プレイの方でもサガステが100倍楽しくなるロマサガ2の基礎知識まとめ - rooton3の雑記

 
 

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